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発作性心房細動の治療をどうする?

2017.12.16

 

発作性心房細動とは48時間以内に自然停止する心房細動です。

 

慢性の心房細動と比較して脈が速いことが多く自覚症状も強いです。

 

今日の朝から突然動悸が始まったと開始時間をはっきりと訴えることが多く、時に胸痛と表現される方もいます。

 

不整脈の中では頻度が高いものです。

 

この発作性心房細動の方が来院された場合、薬を使って正常の心拍に戻すことを考えます。

 

以前は注射薬で元に戻していましたが、最近は内服薬を使用します。

 

注射の方が早く効果が表れますが、所詮48時間以内に戻る不整脈です。

 

注射はできれば避けたい(自分がそうなってもできれば注射はイヤ)と思いますから、最近は内服薬を使います。

 

サンリズムという抗不整脈薬を2C内服して頂き   (頻脈が強ければワソラン、或いはメインテートといった脈を遅くする薬を併用します)、命にかかわるような不整脈ではないのでいったん帰宅して頂きます。

 

翌日来院して頂くとほとんどのケースで正常に戻っています。

 

戻った後は慢性心房細動と同様に高血圧の有無を調べ、心エコーをして心疾患の有無をチェックし、採血して糖尿病をはじめとした生活習慣病がないか調べ、問題があれば治療します。

 

それらが問題なければ、サンリズム頓服用を数回分持たせて今後の発作性心房細動の頻度をフォローします。

 

発作が年に1~2回または月に1~2回程度の方は頓服でフォローとなりますが、週に何回か起こるようならサンリズムもしくはそれに準ずる薬を常用して頂くことになります。

 

その時には慢性心房細動と同様、CHADS2 scoreにより抗凝固療法も必要になってきます。

 

薬を飲みたくない、または薬が効きにくくなったという方にはカテーテルアブレーションという治療をお勧めすることもあります。

 

ただし、心房細動に対するアブレーションは他の不整脈に対するアブレーションと比較すると再発の可能性が高く(30%程度)、2回目のアブレーションを必要とすることも多いです。

 

アブレーション後再発がなければ抗凝固療法は中止可能でこれはアブレーションの大きなメリットといえます。