診療案内

代表的な疾患

Disease

高コレステロール血症

他の動脈硬化疾患があるかないかで考え方が大きく異なります。

冠動脈疾患のある方はLDL(悪玉コレステロール)100以下が目標でほとんどの方でお薬が必要になります。
糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞(心房細動によるものを除く)、閉塞性動脈硬化症のある方はLDL120以下が目標でこれも多くの方でお薬が必要になります。

悩ましいのはほかの疾患がなくLDL(悪玉コレステロール)が高いだけの方です。
主に検診でLDL(悪玉コレステロール)が高いことを指摘され受診されます。
LDLが140mg/dl以上になると高値と指摘されます。自覚症状がないので指摘されてもピンときません。

先ずは食事と運動療法です。食事はカロリー制限(標準体重(身長(m)x身長x22)x30kcal程度、標準体重60kgなら1800kcal,あくまで標準体重(身長で決まります)に対してですから結構厳しいです)。
動物性の脂肪、お肉の脂身や濃い牛乳なども気を付けた方がいいと思われます。
卵は最近はあまり制限の必要はないと考えられています。

肥満の方が体重を10kg近く落とせばLDLが正常化することはあります。
しかしながら多くの方の場合、食事と運動をかなりがんばってもLDLが正常化することは少ないです。
特に女性は女性ホルモンの低下に伴いLDLが上昇し、閉経後にはそれ以上は上がらなくなってきます。
男性も男性ホルモンの低下に伴い上昇しますがその程度は緩やかで女性ほど目立ちません。

食事と運動療法で下がらない場合、お薬を使うかどうかは悩ましいです。
HDL(善玉コレステロール)が40以下、高血圧の有無、喫煙しているかなどを考慮して決めます。
それらがない、特にHDLが正常な女性の場合、LDLが180を越えてくるようなことがなければ引き続き食事・運動療法で様子を見てよいと考えます。
頸動脈エコーで動脈硬化の有無を見て決めるのも良い方法です。