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心房細動の抗凝固療法について、ワーファリンとDOAC

2017.12.13

 

前回の続きで抗凝固療法についてです。

 

お薬にはワーファリンとDOAC(direct oral anticoagulant:経口抗凝固薬の総称)があります。

 

ワーファリンは1950年代から医薬品としての歴史があり、効果としては確立されています。

 

値段も安くこれまで経口抗凝固薬として唯一のものでしたが煩わしさを伴います。

 

外来時に毎回効き目を採血で確認する必要があり、人によっては効果が不安定で効いていなかったり効きすぎていたりします。

 

また納豆を食べると効果が減弱してしまいます。

 

結構面倒です。

 

それに替わる薬として数年前からDOACが登場しました。

 

現在プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナの4種類が発売されています。

 

ワーファリンよりも内服後短時間で効き始め、中止すると翌日には効果がなくなります。

 

毎回採血して効果を確認する必要がありません。納豆も食べられます。

 

4種類の薬はいずれもワーファリンと同等の効果があり、副作用(脳出血など)もワーファリンより少ないというデータがあります。

 

唯一と言っていい問題点は値段です。

 

ワーファリンは大体の方が3mg程度を内服しますがその支払額が3割負担の方で月に270円、1割負担で90円、

 

DOACはどれも似たような額で最新のリクシアナは通常量で3割負担の方で4950円、1割負担で1650円となります。

 

1割負担の方ならDOACにしようかとなりますが3割負担の方だとうーん、となってしまう額です。

 

現状は、

 

今までワーファリンで落ち着いていて問題ない方はワーファリンのままで、

 

金額の問題はあるものの、

 

新規に抗凝固療法が必要な方はDOACをお勧めしています。