健診で心房細動を指摘されたら・・・
2017.12.09
理事長の伊藤です。
今日は心房細動のお話をします。
心房細動はもっともポピュラーで診ることの多い不整脈です。
字の示す通り心房が細かく動く(震える)不整脈です。一つ一つの心拍の間隔がバラバラ(不整)で自分で脈を触れば大体わかります。
私たちが心房細動を診るケースとしては
1.何らかの心疾患がありすでに心房細動の診断がついていている方
2.自覚症状はなく検診でたまたま見つかる方
3.急に動悸が始まり発作性の心房細動で受診されるケースです
1の心臓病でフォローされている方はすでに心房細動の診断がつき治療方針をきちんと立てられている方が多いです。
今日は2の検診で心房細動を指摘され来院される場合についてお話します。
3の発作性心房細動についてはまたお話しますね。
検診時に初めて心房細動を指摘されるくらいですから、ご自分ではその不整脈に気付かずに過ごしているか、またはたまたま検診時に一過性に心房細動であったかです。
動悸などの自覚症状がなくクリニック来院時の心電図も心房細動であれば慢性心房細動の可能性が高く、受診時の心電図が正常であれば一過性(発作性)心房細動であったということになります。
慢性心房細動の場合どうするか?
まず弁膜症や心筋症といった器質的な心疾患がないかは心エコーで確認します。
もともと心疾患がない慢性心房細動の方もたくさんいらっしゃいます。
これまで不整脈に気付かず過ごしてきたわけですから、生活に支障をきたしていないわけです。
心房細動は頻脈になりやすく動悸を感じやすい不整脈なのですが、自分で気がつかない慢性の心房細動は脈拍も落ち着いていることが多いです。
不整脈自体は放っておいて良いと考えます。しかし、注意しないといけないことがあります。
脳梗塞を引き起こすことがあるんです。脳梗塞は絶対に嫌ですよね。
心房が無秩序に震えた結果、心房内に血栓が形成されそれが脳に飛んで脳梗塞を起こすのです。
そして血栓を形成しやすいのは糖尿病、高血圧といった生活習慣病のある方です。
そのような方は心房細動の管理よりも生活習慣病の管理が重要となります。
よって検診で心房細動を指摘され来院された方は心エコーで器質的心疾患がないか調べる。
高血圧や糖尿病など生活習慣病がないかチェックする。
となります。
続く。